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素朴ながら実用性の高い器作り 「出西窯 」

2014年3月29日

暮らしの道具の中に美を求める
素朴ながら実用性の高い器

工房は、元は米の倉庫だったものを1965 年に買い取り改築したもの。石州瓦の赤茶色の屋根が美しく、出雲地方特有の建築美を感じさせる。

出西窯は1947年、子どものころから親しい5人の青年が集い築いた陶窯。その後、民芸運動のリーダー柳宗悦、河井寛次郎、浜田庄司、バーナード・リーチらの指導を受け、暮らしの道具として、喜ばれ物をつくることを理想とした民芸窯だ。

土は出西氷室(ひむろ)土と加茂町の三代(みじろ)土、出雲市津西谷の土など地元出雲の原料を活かし、釉は灰釉、飴釉、黒釉、柿釉、緑釉など数多く取り入れているが、どれも素朴で作り手の温もりまで伝わるような風合い。登り窯は県内有数の規模を誇る。また作品は日用品の皿や碗などの和洋食器に、酒器、花瓶などがあり、日本民芸協会賞ほか数々の賞にも輝く。

「大切にしていることは、郷土の土や釉の原料を使うこと、手の延長の小機器は利用しつつ、あくまで手仕事であること。そして日々、腕を磨き数多く作ることで、実用品としての手頃な価格で提供すること。私達は陶芸作家ではなく、あくまで職人だと思っています」と陶工であり代表理事の多々良真(たたの しん)さんは語る。

時代とともに変化する生活スタイルに合わせつつも、シンプルで素朴ながら実用性の高い器。それこそが毎日の暮らしを彩る“用の美”として時代や世代を越えて愛され続けていく。

工房の隣にある「くらしの陶・無自性館」では、常時、数千点以上の品を展示・販売。明治初期の米蔵を譲り受け、移築増改築したもの。1 階では出西窯の器でコーヒーや斐川町産の番茶などのおもてなしもしている。

出西窯

  • 住所:出雲市斐川町出西3368
  • 電話:0853-72-0239 
  • 営業時間:展示・販売場「くらしの陶・無自性館」 9:30〜18:00
  • 定休日:火曜日(祝日の場合は営業)、元日
  • http://www.shussai.jp/

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