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1300年の伝統を誇る「石州和紙 」

2014年3月29日

1300年の伝統を誇る美しくも強靭な手漉き和紙

万葉歌人・柿本人麻呂により奈良時代から始まったとされている石見の和紙作り。以来、石見では地元の良質なコウゾと恵まれた水質から、雅味に富む独特の和紙が生産されてきた。

石州和紙の最大の特徴は、弾力のある強靭性であるにもかかわらず、軽く柔らかな肌ざわり。黄味かかったその色合いは、時を経るにつれて白く美しくなっていく。また長期保存に耐えるため、美術工芸や書籍として、近年は地元の小学生らが自分の卒業証書を漉くなど、広く利用されるようになり、1989年には国の伝統的工芸品にも指定された。

西田和紙工房の創業は文化・天保の頃。7代目で伝統工芸士の西田誠吉さんは、京友禅の職人から家業へと転向した経歴を持つ。

「生活様式の変化で、暮らしの中での和紙の需要が減少しているのは確か。昔はこの三隅町を中心に150軒あった工房が、今はわずか4軒。この地で生まれ育まれてきた伝統工芸を次の世代へ繋ぐためにも、作り手自らが和紙の用途を提案していかなければいけない」と語り、石州純楮障子紙やランプシェードなどのインテリアもデザインも手掛ける。ちなみに石見神楽面の柿田勝郎面工房も西田さんの和紙を使用している。

強靭な「石州楮紙」、繊細で弾力性と光沢がある「石州三椏紙」、最も繊細で湿った状態でも丈夫で虫の害にも強い「石州雁皮紙」がある。漉く時に最も配慮するのはゴミの原因となるコウゾの表皮を排除していくこと。コウゾ100パーセントで全くゴミの入らない「みざらし」と呼ばれるものが最高級の品質

西田和紙工房

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